高知では『小夏』の名前で特産品として栽培されており、他産地では『日向夏』や『ニューサマーオレンジ』とも呼ばれている、爽やかな甘さが魅力の春の柑橘です。 りんごの皮剥きのように外皮をむいて、白皮（アルベド）ごと食べることができます。 出荷時期が1か月弱と短く、高知では「小夏は見たときに買わないと食べ逃す」と言われており、初夏の訪れを知らせる果物でもあります。 ■美味しい食べ方 りんごの皮むきのようにナイフで外皮をむいて、内側の白皮（アルベド）をしっかりと残して是非、一緒に召し上がってください。 ふわふわの白い皮には程良い甘みがあり、甘酸っぱい果汁と調和したこの味わいこそが、小夏の魅力です。根強いファンが多い柑橘です。 ■小夏 『日向夏』や『ニューサマーオレンジ』と和名登録上（日向夏蜜柑）は同様ですが、厳密には品種が違います。 枝変わりの変異種が多く存在し「「西内小夏（にしうちこなつ）」「宿毛小夏（すくもこなつ）」「室戸小夏（むろとこなつ）」「松岡小夏（まつおかこなつ）」など高知県では「小夏」として独自の美味しさを発展させています。 和名登録をした田村利親（当時の農商務省の技師）が地元高知県に帰り、樹を移植したことが始まりといわれています。高知では小さい実がもてはやされたことから、「小夏」という名が広まったといいます。 ■宿毛小夏 小夏は、土佐文旦の畑脇に植えられています。その受粉に宿毛文旦の花粉が用いられるためです。土佐文旦同様、冬を超えての出荷となるので、寒さ対策のため一つ一つ丁寧に袋で包まれて越冬します。宿毛小夏は花が咲いて実がなるまで1年ほどかかります。宿毛の自然の恩恵をたっぷりと受けながら実が熟すことで、バランスのとれた美味しさになります。 ※種が入る柑橘です。